お久しぶりです。
この4月から社会人になりました。
無事、病院管理栄養士になることができました。
入職から1週間が経ち、帰宅後に生活以外のことをする気力が出てきたので、勉強とタイピング練習も兼ねてまた最近考えてることなどをまとめていこうと思います。
需要はまだない。
低たんぱくご飯をもらった
今日、職場で発注業務を教えてもらっていたら、期限切れの低たんぱくご飯が発見されました。当院ではあまり使わないらしく、発注したもののロットの半分以上が余ってしまったようです。
当然提供するわけにはいかないので、栄養指導の見本用にいくつか残して残りをすべていただきました。
国試でバイトなし、少ない貯金で一人暮らし、日々足りない日用品を買いに走る給料日までまだ3週間あるボンビーガール、食費が浮く!と飛びついてしまった。
低たんぱく米って何?
低たんぱく米とは、ご飯に含まれるたんぱく質をできる限り少なくした製品で腎機能障害などを持つ患者さんのための治療用特殊食品です。
腎機能が低下すると、たんぱく質を消化した後に残る老廃物をうまく排泄できず、腎臓に負担がかかることでさらに腎機能が低下してしまうため、たんぱく質を制限することで腎機能の低下をできる限り緩やかにします。
たんぱく質は肉や魚などに多く含まれますが、実は米や小麦などの炭水化物や野菜などにも含まれています。
主菜の量を減らすのが手っ取り早いのですが、たんぱく制限が厳しい場合は主食だけでもかなりの割合を占めてしまったり、主菜を減らすことにより満足感も減りストレスになってしまったりします。
そこで低たんぱく食品を利用することで、見た目や量、構成、たんぱく質の質を落とすことなく制限範囲内に収めやすくできるようになります。
ご飯以外にも、パンや麺、カレーやミートソースなどのレトルトパウチなど様々な製品があります。
腎臓に負担をかける栄養素としてはたんぱく質のほかに塩分、リン、カリウムなどがありますが、私がもらってきた製品はリンが1/3、カリウムが1/20にカットされています。
どこにも低たんぱくご飯って書いてなかったけどなんでなんだろう。
消費者庁の病者用食品という規格があるのですがそのマークもありませんでした。
たんぱく質は通常の1/25になっています。
この製品はエネルギーはほぼ普通のパックご飯と同じです。
たんぱく制限をすると、エネルギー源が減ってしまうため脂質と炭水化物で補わなくてはいけなくなるのでほんとに助かる。ほんとにすごい。
ちょっと高いのと、違和感があるのが難点です。全粥への展開もしづらいのかなたぶん。
どんな味?(実食)
さて、そんな素晴らしい低たんぱくご飯ですが、どんな味なのでしょうか。
実は大学の治療食実習の時に1度食べたことがあるのですが久しぶりなので忘れてしまいました。
いざ実食。
見た目としては、かなり半透明なご飯で、味や食感は表現が難しいのですが、抽象的に言うと
「ご飯お前…、少し見ない間に覇気がなくなったな…。」
みたいな食感がします。
もっと具体的に言うと、果汁グミみたいなやわらかい系のグミをタタキ状にした感じ、
片栗粉でわらび餅を作ったときに調理器具に付着した部分みたいな感じです。伝われ。
柔らかいです。洗った白飯?
粘りはない。粘り、でんぷんだと思うんだけどなんでだろう。
調べてないけど製法のせいなんですかね。
味は、普通のご飯はよく噛むと甘くなりますがよく噛むほどでもない食感なのでそんなに甘くならない。
不思議な感じ。
米は炭水化物ですが、お米の「お米らしさ」はたんぱく質が担っていたんだなあと思いました。
ちなみに同じ炭水化物である小麦粉もたんぱく質含量によって性質が変わります。(強力粉、中力粉、薄力粉)
でも基本的に米以外の何物でもないというか、しっかり米だし、テレビ見ながら食べたらわからない人もいると思う。すごい技術ですほんとに。
禁止や量減らされてたら、こういうものでもお腹いっぱい食べられるほうが断然良いと思います。
私は健康だから毎日3食は食べたくないかなあ、普通の米食べたい欲をすこし感じる。
ちなみに先輩方には
「味見と勉強になるからね、私たちはいらないです笑」
と言われました。
まだ7パックあります。
低たんぱく米に納豆を付加して食べる
さて、世の人々が熱心に究極の鶏むね肉やプロテインを飲んでせっせとたんぱく質を摂っている時代、
おじいちゃんおばあちゃんのたんぱく質不足による低栄養や褥瘡、サルコペニアの注意喚起がされている時代に、
健康な22歳女性こと私は低たんぱく米で夕食を取ることとなりました。
何してるんだろう私…。
1人暮らしで明らかに栄養不足、ささくれが止まらないので、これまた賞味期限切れの納豆を付加しました。
何してるんだろう私(2回目)。
おなか壊したら労災にしてくれないかな。
低たんぱく米、納豆付加
何したいかよくわからんくそオーダーです。
矛盾がすごい、昼食抜いてフラペチーノ飲むのと同じ雰囲気がする。
何はともあれこれでプラマイゼロ(?)
そのままだと食べづらいかなと思い、調理。
こうして食べたらおいしかったです。
がっつり系の豚キムチチャーハンが軽めに食べられた。
カロリーもほかの使用食材も通常通りなので、ただ栄養価が落ちたデブご飯。
悲しくなってきたな。
他の治療用特殊食品や補助食品は食べてみたいです、味見程度の量でいいです。
元気ジンジン、アイソカルジェリー、毎日ビテツとか美味しいかな?
とりあえず低たんぱく米は残りの分も早く消費しようと思います。
ごちそうさまでした。
蛇足パート
最近の私の健康観
低たんぱくご飯を食べてみたい方は、腎臓を壊すか通販で購入してみてください。
嘘です。体を大切にして一生普通のご飯食べられるといいですね。
人体と食事から健康を学び始めて感じたのは、人間の体は優秀で精巧で、それ故繊細であるということです。
最近、「人生100年時代」とよく言われますが、そもそも人間の体は100年持つように想定して作られていません。
怪我などをしても骨や傷が治癒するので再生能力があるように思えますが、その機能がある器官ばかりではありません。
腎機能以外にも歯や視力など、器質の損傷・機能の低下が起こると(現在の医療や自然治癒力としては)不可逆なものもたくさんあります。
損ねて戻らなくなってから後悔する前に、若い今から向上を、それが難しくても維持などアンチエイジングに取り組まなければいけないことを痛感しました。
大学時代聞き流してしまった気がしますが、もうちょっと色々勉強したくなりました。
若さにかまけず、健診、運動、姿勢矯正、睡眠、そして食生活をしっかり整えて健康寿命の貯蓄も心掛けていきたいと思います。
説教臭い。
ありがとうございました。